サクラノ詩 感想 [ネタバレ無し]

[前書き]

 「サクラノ詩」をクリアした後は感傷的な気持ちになっており、なんとかこの感情を頑張って文字に残したいと思い記事を書くことにしました。

 前作である「素晴らしき日々」をプレイした時の感想は「哲学的なことはよくわからないけど、とにかく凄いゲームだ・・・」というあまりにも幼稚なものでした。しかし、このとき抱いた感情というのは自分の中で特別なもので、[「素晴らしき日々」の"幸福に生きよ"のその先"幸福な生"を体現する"日常"]がテーマである「サクラノ詩」はとても興味のある作品でした。ただ、なかなか購入に踏み切れなかった要因に"美術"を取り扱っているということがありました。過去の自分の人生を振り返ってみると美術関連に興味を持ったことは一度もなく、むしろ中学での美術の授業というのは苦痛以外の何物でもありませんでした。そんな自分に可愛い女の子たちが美術部でキャッキャしてる作品を楽しめることができるのだろうか?前作の「素晴らしき日々」同様また難しい引用が多くてわけわからんのではないだろうか?と不安要素はあったのですが、プレイし終えた今、購入して良かったと涙を流しながら言うことができます。

 

 

[ストーリ概要]

 世界的に有名で天才画家である草薙健一郎の息子であり今作の主人公である草薙直哉は、父親の元で芸術家としての腕を磨き父同様に天才と謳われていた。しかし、とある理由から筆を折り、さらに草薙健一郎の病死により天涯孤独となってしまう。そんな草薙直哉と彼の絵に魅了され芸術家としての実力を信じている人達との日常を描いた物語。

 

 

[感想]

 前書きでも書いたような不安要素は気にならず、全体を通して失速することなく楽しんでプレイすることができました。実際、蓋を開けてみると美術関連の話はとても面白く興味を持ってしまうほどです。引用(宮沢賢治に代表される日本文学等)に関しても「素晴らしき日々」ほど取っつきにくいものではありませんでした。

 構成はⅠ、Ⅱ(共通)、Ⅲ(鳥谷真琴↔御桜稟→氷川里奈&川内野優美→夏目雫)、Ⅳ(過去)、Ⅴ(夏目藍)、Ⅵ(true)となっており、章が進むごとに伏線が回収され徐々に物語の核となる事実が明かされていく様はとても美しいです。とくにⅢの夏目雫ルートでは「素晴らしき日々」の4章からの展開を彷彿とさせる熱いシナリオに心が震えました。「素晴らしき日々」のようなどんでん返しがあるわけではないのですが、主人公とその周りの人間たちとの交流で伏線が回収されていく「サクラノ詩」では、テーマでもある"幸福な生"を体現する"日常"をまさに感じることができました。また日常や美術、放課後を連想させるBGMも素晴らしく、「サクラノ詩」の世界観にどっぷりと浸れます。もともと日常感を感じられる作品が好きなのでそういう点では、Ⅰ、Ⅱは何回でもプレイしたいですね。

 ネタバレ無しなので感想はここまでにしたいと思います。気力があればネタバレありも書きます。プレイし終えた後の余韻は何物にも代えられない幸福感で、ここまでの感情にさせてくれた「サクラノ詩」は本当に素晴らしい作品です。